【9割が勘違い】相続放棄をすると「〇〇はできません」|知らずに損する重大な落とし穴

目次
はじめに
「借金があるから、とりあえず相続放棄すれば安心」
「相続放棄しても、必要なものだけはもらえるんですよね?」
実はこの考え、9割の方が勘違いしています。
相続放棄は確かに強力な制度ですが、
一度行うと“できなくなること”が非常に多く、
取り返しがつかない場面も少なくありません。
この記事では、
- 相続放棄の正しい意味
- 相続放棄をすると「できなくなること」
- 失敗事例
- 後悔しない判断基準
を解説します。
そもそも「相続放棄」とは何か?
相続放棄とは、
「最初から相続人ではなかったことになる」法的な手続きです。
相続が発生すると、相続人には次の3つの選択肢があります。
- 単純承認(すべて相続する)
- 限定承認(プラスの範囲でマイナスも引き継ぐ)
- 相続放棄(すべて放棄する)
このうち、相続放棄を選ぶと、
✅ プラスの財産(預金・不動産)
✅ マイナスの財産(借金・保証債務)
すべてを一切引き継がないという扱いになります。
ここで重要なのが、
「一部だけ放棄する」という都合のいいことは一切できないという点です。
【結論】相続放棄をすると「〇〇はできません」
多くの方が誤解していますが、
相続放棄をすると次のことはすべてできなくなります。
① 預金の引き出しは「一切できません」
「葬儀代だけだから…」
「公共料金の支払いだけだから…」
このような理由でも、
相続放棄をした人が被相続人の預金を引き出すことは原則NGです。
なぜなら、
預金を引き出した時点で “相続を単純承認した”と判断されるリスクがあるからです。
実務でも、
- 相続放棄をしたのに、後から「無効」と扱われた
- 借金を背負うことになった
というケースは決して珍しくありません。
② 不動産の名義変更は「一切できません」
相続放棄をした時点で、
その人は 「最初から相続人ではなかった人」 になります。
そのため、
- 実家の名義変更
- 農地の相続
- 売却のための名義取得
すべて関与できません。
「住み続けるつもりだった実家に住めなくなった」
という相談も実際に多いです。
③ 形見分けや遺品の取得も「原則できません」
相続放棄をすると、
- 貴金属
- 高価な時計
- 車
- 農機具
これらも “相続財産”として一切取得できません。
特に注意が必要なのが、
✅ 車を使い続けていた
✅ 農機具を処分した
✅ 遺品を売却した
このような行動は、
相続の単純承認とみなされる危険性が高いです。
④ 遺族年金や死亡保険金も「勘違いが多い」
ここは多くの方が混乱します。
✅ 遺族年金 → 原則、相続放棄しても受給可
✅ 死亡保険金 → 受取人固有の権利なら受給可
ただし、
「相続財産としての保険金」扱いになるケースもあるため要注意です。
実際の契約内容を確認せずに、
「相続放棄したのに、受け取ってしまった」
というトラブルも発生しています。
事例
▼ 事案の概要
- 被相続人:父
- 財産:負債800万円、不動産1件
- 相続人:子2人
「借金がある」と聞いて、子2人とも相続放棄。
しかしその後、
✅ 不動産が売却できる優良物件だったことが判明
✅ 売却益が300万円以上見込めた
という状況が発覚。
当然ですが、
相続放棄後なので、一切受け取れません。
さらに、その不動産の管理責任が「次順位の相続人」である叔父へ移り、
家族間でトラブルにも発展しました。
相続放棄は「やり直しが一切できません」
相続放棄は家庭裁判所へ申述しますが、
✅ 原則、撤回はできません
✅ 取り消しは極めて例外的
✅ 後から後悔しても手遅れ
という “一発勝負”の手続きです。
しかも、
「相続開始を知った日から3か月以内」という期限もあります。
この期間内に、
- 財産調査
- 借金の有無
- 不動産の価値
- 保証債務
を正確に把握しないと、
人生を左右する判断ミスに直結します。
「とりあえず相続放棄」が一番危険な理由
相続放棄の相談で最も多い失敗がこれです。
「よく分からないから放棄しました」
これは 最悪の選択 です。
なぜなら、
- 実際は借金より資産の方が多かった
- 価値ある農地・不動産があった
- 連帯保証の存在を勘違いしていた
というケースは本当に多いからです。
行政書士に相談すべき3つの理由
相続放棄は「裁判所の手続き」ですが、
実際の失敗のほとんどは “事前の判断ミス” にあります。
行政書士に相談するメリットは、
✅ 財産・債務の整理
✅ 不動産・農地の調査
✅ 他の相続人への影響確認
まで含めて、
「放棄すべきかどうか」から一緒に判断できる点にあります。
まとめ|相続放棄で「できなくなること」を必ず理解してください
最後に、最重要ポイントを整理します。
✅ 相続放棄=最初から相続人でなかった扱い
✅ 預金の引き出しはできない
✅ 不動産の名義変更・売却は一切できない
✅ 形見分け・車・農機具の取得も原則不可
✅ 一度放棄すると原則撤回できない
✅ 3か月という厳しい期限がある
相続放棄は 「逃げ道」ではなく「最終手段」 です。
相続放棄で後悔しないために
もし今、
- 借金があるか分からない
- 不動産の価値が不明
- 連帯保証が怖い
- 家族と揉めている
このような状況であれば、
絶対に自己判断で相続放棄をしないでください。
✅ 相続・農地・不動産のご相談はこちら
相続放棄は、
「放棄するかどうかの判断」が最も重要です。
相続・農地・不動産が絡む複雑なケースも含め、
状況に応じた正しい選択をご案内しています。
お問い合わせからお気軽にご相談ください。
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