大相続時代!相続業務は行政書士に依頼するべき

2025年より団塊の世代が75歳以上となり、日本は超高齢化社会に入りました。日本人の5人に1人は後期高齢者であるという...今後の日本はどうなるのか。

社会保障費が上がったり医療体制がひっ迫するなど懸念する問題はいくつかありますが、相続対策も社会問題のひとつです。

日本人の寿命が延びて老々介護という言葉もあるように、高齢者が親の介護をするようになり、

普段は忙しいにもかかわらず、ましてや複雑な相続のことまで考える余裕がないという方が多いかと思います。

そういうときはまず行政書士に相談していただきたいと思います。

なにもわからない状態で突如相談という形でも問題ありません。

一度流れがわかると安心できるかと思います。

「相続相談」は行政書士のほか弁護士、司法書士、税理士の方が取り扱うこともあり、一般の方は、

「誰に相談していいのかわからない...」

...となるのが当然だと思います。

行政書士に依頼する最大の場合のメリットといえば、

価格が安い!

これに尽きるかと思います。

これは行政書士はひとりで切り盛りしている先生や少数精鋭で経営している先生が多く、

人件費や経費が抑えられるため、価格競争に強い傾向があります。

次にデメリットをお話しします。

行政書士に依頼する場合のデメリットは、

ひとりで相続業務のすべてを完結できないことです。

これはどういうことかといいますと、

令和6年4月1日より義務化された相続登記の申請書類は「司法書士」の先生の領域になり、

行政書士にて申請書類の作成ができません。

また相続人同士が相続発生後に何らかの理由で揉めてしまった場合は、

業務委任契約書を取り交わしていたとしても、

業務は即取りやめて弁護士の先生にバトンタッチすることになります。

さらに相続税が発生した場合は相続税の個別の計算は「税理士」の先生の領域であり、

情報を共有したうえで税理士の先生と協力しながら税金対策をしていく形になります。

以上がメリット・デメリットになります。

相続業務はこのように各士業の領域があるため、ひとりで完結することはできません。

そのため当事務所の対応としては、以下のように進めていきます。

物価高で相続については「安く」「確実に」というのが皆様の希望であるかと思います。

そこで自分で調べて自分で遺言を書いたりする方もいますが、自筆証書遺言は書き方が細かく民法等で規定されており、

せっかく書いた遺言も無効となり、無効となれば結局は相続人同士で遺産分割協議を行うことになり、

結果として相続人に迷惑がかかってしまう恐れもあります。

上記のようなことが起こらないよう、

まず専門家に相談して確実に手続きを進めていくことをおすすめします。

行政書士を開業しますという話をすると、

8割の方が、「なにをするの?笑」という回答が返ってきます。

参考までにですが行政書士の業務の定義として「日本行政書士会連合会」のページを引用します。

行政書士の業務

「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務

行政書士は、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類の作成、同内容の相談やこれらを官公署に提出する手続について代理することを業としています。

「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務

行政書士は、「権利義務に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。  
「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいいます。  

「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務

行政書士は、「事実証明に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。  
「事実証明に関する書類」とは、社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書をいいます。  

相続でいう遺産分割協議書の作成は「権利義務に関する書類」に該当し、相続関係図の作成は「事実証明に関する書類」に該当します。

業務が幅広く行政書士によって取扱い業務がことなるため、個別に確認しましょう。

最後に相続業務において行政書士ができることとできないことを一覧にします。

・相続人の調査 戸籍を代理で取得して相続人を調べる

・相続財産の調査 委任状をいただき銀行の残高証明や不動産の名寄帳より確認します

・遺産分割協議書の作成 相続人同士が良好な関係なうえで相続人同士の調整を図ることまでは可能

・遺言書(自筆証書遺言、公正証書遺言) 自筆証書遺言はあくまで自分で文字を書く必要がありますので遺言書の書き方の指導になります

・遺言執行者 相続発生後に遺言執行者として行を行うことができます

・任意後見契約書の作成 公正証書にて作成が可能です

・法務局に提出する書類 入管業務は特別な資格によって提出可能ですが、登記に関する書類は対応できません

・裁判所に提出する書類 こちらも弁護士の先生や司法書士の先生のみ提出可能であり、行政書士は対応不可です。

 「相続放棄申述書」は裁判所に提出する書類になりますので代理で提出ができません

・相続税の申告書類を代理で作成 税理士の先生が対応します

以上が行政書士による相続業務の取り扱いになります。

行政書士は「街の法律家」としてまず窓口になり、各専門家へと橋渡しをする役割があります。

相続というのは何度もある話でないため、よくわからないという方が多いかと思います。

しかし相続発生後に相続について3か月以内に単純承認、限定承認、相続放棄をするなど、

相続の特徴として「期限」があります。

期限が遅れてしまうと思わぬ「損」をする可能性がありますので早めの対策(まずは面談)を推奨します。