新年にまず確認したい「相続の基本チェックリスト」|今年は“揉めない準備”をはじめる年に

目次
はじめに
新しい一年が始まると、
- 家族が集まる機会が増える
- 生活やお金を整理したくなる
- 将来について少し真面目に考える
そんな方が多いのではないでしょうか。
実は、こうした節目のタイミングこそ「相続」を見直すのに最適です。
相続というと、
「まだまだ先の話」
「お金持ちの人だけの話」
「家族仲がいいから大丈夫」
と思われがちですが、
実務の現場ではその逆のケースを数多く見てきました。
- ちょっとした誤解で家族仲がこじれる
- 手続きが止まり、口座や不動産が“宙ぶらりん”
- 事前に一言あれば防げたトラブル
こうした問題は、特別な事情のある家庭だけではありません。
どのご家庭にも起こり得る、とても身近な問題です。
そこで今回は、
新年にまず確認したい
「相続の基本チェックリスト」
を、できるだけ分かりやすく解説していきます。
完璧を目指す必要はありません。
まずは「知ること」「少し書き出すこと」から始めてみましょう。
新年こそ、相続を考えるべき3つの理由
最初に、
なぜ「新年」が相続向きなのか?
という点について触れておきます。
① 家族が集まり、話しやすい
普段は離れて暮らしている家族も、
年末年始は顔を合わせることが多くなります。
健康のこと
仕事のこと
これからの生活のこと
自然と会話が増えます。
その延長線上で、
「万が一の時、どうしたいか」
を少しだけ話題にできるのです。
② 気持ちがリセットされ、前向きになれる
新しい年は、気持ちをリセットするとき。
家計簿や保険、持ち物の整理を見直す方も多いですよね。
この流れで、
財産・書類・名義
を整理するのは、とても効率的です。
③ トラブルは「突然」やってくる
相続の相談は、ほとんどがこう始まります。
「急に倒れてしまって…」
「何から手を付ければいいか分からない」
慌てて手続きをするのは、
精神的にも体力的にも大きな負担です。
だからこそ、
何も起きていない今が、いちばんの準備どき
なのです。
まずは「家族構成」の確認から
相続でもっとも大きく影響するのが、
誰が相続人になるのか
という点です。
昨年から、次のような変化はありませんでしたか?
- 結婚・離婚・再婚
- 子どもや孫が増えた
- 親族が亡くなった
- 同居・介護など生活状況が変わった
これらはすべて、相続に直結します。
「うちは揉めない」ほど危ない?
とても仲の良いご家族でも、
- 実家を誰が相続するのか
- 介護した人と、していない人
- 配偶者・子ども・兄弟の立場の違い
こうした事情が絡むと、
思わぬ不満が生まれることがあります。
特に要注意なのは、
- 子どもがいない夫婦
- 再婚家庭
- 不動産が中心の家庭
- 兄弟仲に不安がある家庭
こうした場合は、
早めに考えておくほど安心です。
財産の「見える化」は最大の相続対策
相続でいちばん困るのは、
「どこに何があるのか、誰も分からない」
という状況です。
まずは、ざっくりで構いません。
次のような項目を書き出してみてください。
- 銀行口座(どの銀行か)
- 自宅・土地・農地・駐車場
- 生命保険
- 投資・株式・NISA・iDeCo
- 借金・ローン・連帯保証
- ネット銀行・ネット証券
- 電子マネー・ポイント
- 事業に関する資産や負債
正確な金額でなくても大丈夫です。
「ここにある」
「こういうものがある」
これが分かるだけで、
手続きは格段に楽になります。
書き出すメリット
- 家族が探し回らなくて済む
- 不要な口座や契約が整理できる
- どこにリスクがあるか見えてくる
それだけで十分、
立派な相続対策になります。
名義と保険の受取人について
実務で本当に多いトラブルがこちらです。
よくあるケース
- 生命保険の受取人が「昔の配偶者」のまま
- 親の名義のまま、何十年も放置された自宅
- 相続が終わらず、売ることも貸すこともできない不動産
本人は悪気がなくても、
手続きが止まり、家族同士が疲れてしまう
という結果になります。
今年チェックしたいこと
- 保険の受取人
→ 今の家族関係に合っていますか? - 不動産の名義
→ 実態と一致していますか?
「そのうちやろう」は危険です。
思い立ったタイミングで確認しておくと安心です。
遺言書は必要?判断の目安
遺言書は、
「財産が多い人だけ」のものではありません。
次のどれかに当てはまる方は、
検討してみる価値があります。
- 子どもがいない
- 再婚している、連れ子がいる
- 自宅しか財産がない
- 農地・事業・不動産を誰かに継がせたい
- 兄弟・親族の仲に不安がある
遺言書があることで、
- 手続きがスムーズ
- 不公平感が出にくい
- 家族の負担が軽くなる
という効果が期待できます。
まだ作らなくても、
「もし作るとしたら、どうしたいか」
だけでも考えておくと、
後々とても楽になります。
介護・医療の意思も“相続の一部”
相続は「亡くなった後」の話だけではありません。
- 延命治療の希望
- 誰に判断を任せたいか
- 介護や施設についての考え
こうしたことも、
家族と少しだけ共有しておくと安心です。
紙にメモを書き、
どこかに残しておくだけでも構いません。
大切な書類、どこにありますか?
手続きで必要になる主な書類は次のとおりです。
- 通帳・印鑑
- 保険証券
- 不動産の権利関係書類
- 年金や保険の通知
- 遺言書の保管場所
これらを一か所にまとめ、
「ここに入っているよ」
と、信頼できる家族にだけ伝えておく。
たったこれだけで、
相続手続きのスピードは大きく変わります。
エンディングノートを活用するのもおすすめです。
よくあるトラブル事例
いくつか、よくあるケースをご紹介します。
事例1:自宅だけ相続して、兄弟で揉めた
親の財産は自宅だけ。
住んでいる長男がそのまま相続しましたが、
現金がなく、他の兄弟へ分けることができません。
結果として、
「不公平だ」「売って分けるべきだ」
と大きな対立に。
—— 事前に遺言や話し合いがあれば、
防げた可能性が高い事例です。
事例2:再婚で“前妻の子”が登場
再婚後の家庭には子どもがいませんでしたが、
亡くなった夫には前妻との子がいました。
相続人として当然の権利があります。
妻は驚き、話し合いは難航。
長期化してしまいました。
こちらも、
きちんとした遺言があれば
全く違う結果になっていたでしょう。
まとめ|新年は「少しだけ前に進む」
相続の準備は、
何も難しいことではありません。
✔ 家族構成を見直す
✔ 財産を書き出す
✔ 名義や受取人を確認する
✔ 必要なら遺言を検討する
これだけで、
将来の不安は大きく減っていきます。
いきなり完璧を目指す必要はありません。
見直す → 書き出す → 話す
この3つから、
今年は一歩だけ前へ進んでみてください。
こんな方は、早めに相談を
もし次のような不安があれば、
一度専門家へ相談してみてください。
- うちの場合、遺言は必要?
- 家族関係が複雑で心配
- 不動産や農地が多い
- 子どもたちが揉めないようにしたい
- 何から始めればいいのか分からない
相続は「準備してから考える」より、
準備する前に相談した方がスムーズです。
問題が起きてからでは、
時間も手間も、そして費用も大きくなります。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
このチェックリストが、皆さまのご家族にとって
争わない、困らない、安心できる相続
のきっかけになれば幸いです。


