農地売却前に確認すべき3つのポイント

はじめに

「相続で農地を取得したが使い道がない」


「高齢により耕作をやめたい」


「農地を売却して現金化したい」

このような理由で農地売却を検討する方は年々増えています。

しかし、農地は通常の宅地と違い、

自由に売買できる土地ではありません。

農地売却には原則として 農地法 の許可が必要であり、

場合によっては 都市計画法 や 農業振興地域の整備に関する法律 も関係します。

事前確認を怠ると、

・契約が無効になる
・許可が下りず破談
・違法転用扱いになる
・想定より大幅に価格が下がる

といった重大なリスクがあります。

本記事では、行政書士実務の視点から、

農地売却前に絶対確認すべき3つのポイントを徹底解説します。

なぜ農地の売却は「難しい」のか?

農地は、
「農業を守るための土地」
「投機対象ではない土地」

という位置付けです。

そのため、売却には原則として農地法の許可が必要になります。

  • 農地法3条(農地のまま売却)
  • 農地法5条(転用目的で売却)
  • 市街化区域かどうか
  • 農業振興地域かどうか

これらを整理しないまま話を進めると、

・契約したのに許可が下りない
・手付金トラブル
・違法転用扱い

といった問題が発生します。

では、具体的に何を確認すべきなのでしょうか。

【ポイント①】農地の「種別」と「区域区分」を確認する

2-1 農地法上の区分

農地は次のように分類されます。

■ 農用地区域内農地(青地)

農業振興地域内で農用地として指定されている土地です。

原則転用不可。

転用するには「農振除外」が必要です。

除外には半年〜1年以上かかることもあります。

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■ 第1種農地

良好な営農条件を備える農地。原則転用困難。


■ 第2種農地

周辺状況により転用可能性あり。ただし代替性検討が必要。


■ 第3種農地

市街地近郊。比較的転用しやすい。

この区分によって売却可能性と価格が大きく変わります。

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1-2 都市計画法上の区域確認

次に確認するのが、

  • 市街化区域
  • 市街化調整区域
  • 非線引き区域

です。

市街化区域であれば、農地法5条は「届出」で済みます(許可不要)。

しかし、市街化調整区域の場合は、

・農地法許可
・開発許可
・建築制限

が絡みます。

ここを誤ると、
「売れると思っていたのに建物が建てられない土地」
になる可能性があります。

【ポイント②】売却方法を決める(3条か5条か)

2-1 農地のまま売る(農地法3条)

買主が農業を継続する場合。

主な要件

・農業従事日数
・経営面積
・適正利用

メリット

・比較的許可が通りやすい
・手続きがシンプル

デメリット

・買主が限定される(農業従事者もしくは新規就農者)
・価格は安くなりやすい

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2-2 転用前提で売る(農地法5条)

宅地や資材置場などにする場合。

メリット

・高値売却が期待できる

デメリット

・不許可リスク
・造成費が高額

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2-3 停止条件付き売買契約の重要性

農地売買では必ず

「農地法許可取得を停止条件とする」

条項を入れます。

これがないと、許可が下りなくても契約が有効になり、

損害賠償問題になる可能性があります。

【ポイント③】税金・費用・手続きスケジュールを把握する

農地売却で見落とされがちなのが、税務と費用です。


3-1 譲渡所得税

農地を売却すると、譲渡所得税がかかります。

  • 所有期間5年超 → 長期譲渡
  • 5年以下 → 短期譲渡

さらに、農地特有の特例として、

・農地等の交換特例
・農業振興地域内農地の特例

などがあります。

税理士との連携が重要です。


3-2 農地転用費用

転用する場合は、

・農地法申請費用
・測量費
・造成費
・開発許可費用

が発生します。

場合によっては数百万円規模になることもあります。


3-3 スケジュール感

農地売却は、

  • 事前調査:1ヶ月
  • 申請準備:1〜2ヶ月
  • 許可審査:1〜2ヶ月
  • 除外が絡む場合:半年以上

というケースも珍しくありません。

「すぐ売れる」はほぼありません。

よくある失敗事例

① 買主を先に見つけてしまう

条件を精査せず契約 → 許可不許可

② 青地なのに転用前提で話を進める

農振除外が通らず破談

③ 市街化調整区域を軽視

建築不可で価格暴落

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農地売却を成功させるための実務フロー

  1. 登記事項確認
  2. 農振確認
  3. 都市計画確認
  4. 役所事前相談
  5. 売却戦略決定
  6. 買主選定
  7. 停止条件契約
  8. 許可申請
  9. 許可取得
  10. 決済

順番が極めて重要です。

行政書士に相談すべき理由

農地売却は、

・農地法
・都市計画法
・農振法
・税務
・不動産実務

が複雑に絡みます。

ワンストップで整理できる専門家に相談することで、
不許可リスクを最小限にできます。

まとめ|農地売却前に確認すべき3つのポイント

① 農地の種別・区域を確認する
② 売却方法(3条か5条)を明確にする
③ 税金・費用・スケジュールを把握する

農地は「普通の土地」とは違います。

しかし、事前準備を徹底すれば、
適正価格で安全に売却することは可能です。

農地売却でお悩みの方は、
まずは現況調査から始めましょう。

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